ハワイより愛をこめて | シネマ日記

人生はシネマのようなもの。ハワイはオアフ島在住の主婦が大好きな映画のことや日常について綴ります

シェイプ・オブ・ウォーター(アカデミー作品賞&監督賞)

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シェイプ・オブ・ウォーター(Shape of Water)

2017年 ドラマ/ファンタジー 

監督 ギルレモ・デル・トロ

主演 サリー・ホーキンス

ストーリー:半魚人男と聴覚障害の女性の恋物語。

 

◇アカデミー関連/アカデミー候補2本 「ファントムスレッド」&「Darkest Hour (原題)」(ネタバレあり)

◇アカデミー関連/アカデミー候補 ③ ダンケルク(Dunkirk)

 

今年のアカデミー賞の作品賞と監督賞を取りましたね。私はもう一本の「スリービルボード」が良かったんだけど、でも大体予想はついていました。

 

一昔前のヒット作品で人魚のダリル・ハンナとトム・ハンクスの恋物語「スプラッシュ(1984)」や「美女と野獣」を合わせて成人向きにしたような、ロマッチックなファンタジー映画です。バイオレンス、ヌード、性的、など刺激の強いシーンも多々出るので子どもさんには見せないで下さいね。

 

「パンズ・ラビリンス」や「ヘルボーイ」のギルレモ・デル・トロ監督作品で、パンズ・ラビリンスと共通点もたくさんありました。一見か弱そうだが真が強く勇敢なヒロインと心優しい怪物の交流、弱者に権威を振りかざすヴィラン(悪人)、差別や偏見、善と悪について両作品で描かれています。

 

個人的には、「パンズ・ラビリンス」のほうが好きです。上映された時に家族で嵌りましたが、ファンタジーという面でも遥かに美しいし、ラストも泣けた。おすすめです。今回の受賞できっとまた注目されると思いますが、「パンズ・ラビリンス」を観てからこの映画だったので期待が大きすぎたかも? 

 

でも主演女優のサリー・ホーキンスは良かった。容姿ともに大人しくて目立たない感じだけど個性が光る素敵な女優さんだと思います。主演女優賞にもノミネートされていましたが、残念ながらスリービルボードのフランシス・マクドーマンドに持って行かれてしまいました(これは仕方ない)。これからの活躍が期待できます。

 

私の周りでは「この映画は苦手」という人が多かったです。映画オタクの次男は「ただのエンタメ」だと言い放つ。私も実をいうと途中少し眠かったです、クライマックスのほうでだんだんと調子が出てきましたが。

 

しかし、デル・トロの映画には「ただのエンタメ」以上に何かもっと大切なメッセージが含まれているのでは?と考えてみた時、それは愛や孤独ではないかと思いました。「パンズラビリンス」では孤独な少女、そして本作品では孤独な女性が人間より怪物に共通点を見つけて互いに心を開き友情が芽生える。それとダイバーシティ(多様性)。人種を超えた愛や同性愛はもはや一般常識ですからね。それ以上に心を開けるならエイリアンでも何でもOKなのです。と考えるとちょっと...と思ってしまいますが。

 

監督のデル・トロはかなりのファンタジーオタクのようですが、彼の作った映画を観たら(まだ3作しか観ていませんが)、彼自身が寂しい人、もしくは虐められた過去があるとか、孤独な主人公のキャラクターに監督の思い入れがあるように思えてなりません。もしくはただの筋金入りおたくかもしれませんが。

 

#シェイプオブウォーター #アカデミー賞 #サリーホーキンス 

 

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アカデミー候補2本 「ファントムスレッド」&「Darkest Hour (原題)」(ネタバレあり)

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今年のオスカー候補の作品2本を観てきましたのでご紹介します。

 

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 題名:ファントムスレッド(2018年) 2時間10分

監督:ポール・トーマス・アンダーソン

主演:ダニエル・デイ-ルイス、ヴィッキー・クリープス

 

一本目は、「Phantom Thread(ファントム・スレッド)」。
華麗〜❤️美しいものを見たいならこの映画を観てください!1950年ロンドンの上流階級の高級オーダーメイドのドレスの数々が美しい〜!

 

そもそも私がこの映画をみたいと思った理由は、ダニエル・デイ=ルイスの栄えあるリタイアメントのラストムービーだということはもちろんありますが、それよりも映画を観た人々の酷評です。たまたまFBに上がってきた映画紹介のコメント欄のトップに、「映画が終わった後で観客がみんな顔を見合わせて笑っていました、あのラストは何だったのでしょう?誰か教えて下さい」というのが目に留まり他の評も読んだのですが、多くの人が同じような事を書いていました。中には「これがダニエルの最後の映画とは残念」と書き込んでいる人もいました。

 

あらダニエル様、そんな酷いラストなの?(笑) 実はそれまで観に行こうかどうか迷っていたのですが、そこまで言われると観たくなるのが人の心理。そんなんで観て来たのですが。。。

 

そのアメリカ人にはとことん受けが悪かったラストですが、私的には嫌いではなかった、というのが正直な感想です。ハッピーエンドとも悲恋ともとれる、なんとも言えない異常な愛の形はむしろ日本人受けするのかもしれませんね。

 

前半の甘ったるい部分から、後半になるにつれスリラー化し、最後のあたりは「もうホラー映画では!?」...と思わせるラストのどんでん返しが良かったと思いました。

 

一緒に観に行った息子は、「ラストが一番良かった」とまで言っていました。

 

恋人からまるで奴隷のように扱われていた女が次第にゲームのコツをつかんで挙げ句の果てには逆転し彼を奴隷にしてしまう。恋愛、男女はインヤン(陰陽)だとも言われていますが、まさにこの映画がそれを表現していると思いました。サディステックな愛の形が、ダニエル・ディ=ルイスのフェアウェル(引退)にぴったりだと思った筆者でした。

 

しかし、ダニエル様は幾つになってもカッコいいです。もうスクリーンで観れないかと思うと寂しい。おじいさんになっても演じて欲しかった。あ、前回引退してイタリアの靴職人になった時には戻ってきてくれたのでまたそれを期待しています。

 

あと主演の女優さん(ヴィッキー・クリープス)は、今回初めて観ましたが、田舎の赤毛の素朴な女の子がいったんドレスを身に纏うと目に眩しいほど美しく輝き、上流階級の中で蛹から蝶へのようにクラシィに洗練されていく様は、ナチュラルで自然体の彼女に適役でした。長身で骨太になまりのある英語、ドイツ系かなと思ったらルクセンブルグ人だそうです。角張った意志の強さを感じさせる男顔、昔のドリュー・バリモアを彷彿させる古典的で品のある風貌と、鋭い演技力は今後が期待できる女優さんだと思います。

 

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 原題:Darkest Hour(2017) 邦題:ウィンストン・チャーチル、ヒットラーから世界を救った男 2時間5分

監督:ジョー・ライト

主演:ゲーリー・オールドマン、クリスティン・スコット・トーマス

 

2本目は「Darkest Night(ダーケスト・ナイト)」です。こちらは昨年映画館でトレイラーを観た瞬間から観たいと思っていました。理由はやはりゲイリー・オールドマンの変身っぷりです。

 

ストーリーは、第2次世界大戦中にヒットラーに勝利を取られていた当時イギリスの首相、ウィンストン・チャーチルの苦悩を描いた作品です。いや〜ストーリーはだいたい想像がついていたので良いとして、ゲイリー・オールドマンの演技はスゴかったです。

 

「裏切りのサーカス」の時もその変貌ぶりに驚きましたが、今回はほんとうにスゴい!(スゴいの連発でごめんなさい、笑) オースティン・パワーズのDr.イーブルに見える瞬間も数回ありましたが、いやそれ以上に、もうオスカーの主演男優賞はあなたに決定です!(って2本しか観ていないんですが)。

 

どちらもおすすめです。

 

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ブラックスタリオン〜巨匠コッポラの名作

www.youtube.com

 

名作と言われる作品でも観ていない映画はまだまだたくさんあります。先日、友人が薦めてくれたおかげで素晴らしい映画に出会いました。

 

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 題名:ブラックスタリオン(1979 アメリカ映画)
監督:キャロルバラード、フランシスコッポラ(プロデューサー)
出演:ケリー・レノ、ミッキー・ルーニー他

 

日本では知名度が低いようですが(検索してもほとんど出てきませんでした)、フランシス・コッポラ氏プロデュースの「ブラックスタリオン(1979)」という作品です。馬と少年の友情がテーマのお話です。馬の絵が書かれたDVDのカバー、クラシック名作コーナーでよく見かけていたので気になってはいたものの子ども向けだと思ってあえて観ようとしませんでした。児童向け小説の映画化だそうですが(レイティングはG指定)、映画は子どもよりむしろ大人が楽しめるのではないでしょうか。

 

とにかくシネマトグラフィーの素晴らしさが半端ではありません。前半は台詞は数えるほどなのですが、少年と馬との出会いからお互いが次第に心を開いて行く過程が静かに美しく描写されています。コッポラの創造性に溢れた映像美がとことん楽しめます。言葉よりもずっと情緒的で心に力強く語りかけてきます。例えば、馬と少年が浜辺で戯れるシーン。水中で馬と少年の足だけにフォーカスをあてたショットなど、「どこからこんな発想が生まれるのか!」コッポラの高い芸術性にあっぱれという感じです。

 

(注意※この下は少しネタバレ含まれます) 

 

子役が可愛い映画はそれだけで愛されてしまうのが常ですが、この映画も子役の少年(ケリー・レノ)が愛らしく素晴らしい演技力を発揮しています。また、かつてエリザベス・テイラーとの共演作「ナショナルベルベット」で現役ジョッキーを演じた、名優ミッキー・ルーニーもリタイアのジョッキーとして良い味を出しています。

 

ストーリー的には実はかなり過酷なお話なのですが、哀しい部分はティアジャーカー(御涙頂戴)的ではなく、男の子と動物との友情、親子の愛と絆、彼を取り巻く人々の優しさ、がコッポラ独特のセピア色の世界観で静かに描かれたほっこりする作品に仕上がっています。

 

もし皆さんも観る機会があればぜひおすすめです。バイオレンス無しのG指定なのでお子さんも一緒に観れますよ。こんな良い映画と知っていたら家の子どもたちが小さな頃にみせといてあげれば良かったと思いました。

  

馬と子どもを描いた感動作はたくさんありますが、私がこれまで観た中では『ブラックスタリオン」が一番良かったですね。紹介してくれた友人に感謝です。夫は続編を先に観ていたようですが、そちらのほうはアドベンチャーもののようなので特に観なくても良さそうです。

 

余談ですが、遭難した少年が孤島に流されてしまい海で魚やわかめを獲り、火をおこしたりしてサバイブするシーンがあるのですが、「子どもがこんな事出来るの!?」と思って観ていると、アメリカ人の夫いわくこれは「ボーイスカウトの効果」なのだそうです。

 

なるほどね〜うちの息子たちもボーイスカウトやらせれば良かったと思いました(もっと早く教えて欲しかった〜)

 

あそうそう! フランシス・コッポラといえば、彼の代表作「ゴッドファーザー」でマイケル(アル・パチーノ)の妹役を演じていたタリア・シャイアー(ロッキーでは妻エイドリアン役)はコッポラの実の妹だったのですね? 初めて知りました。コッポラは自分の映画に親族をよく使うな(笑)。

 

#ブラックスタリオン #フランシスコッポラ

 

ハリウッドのセクハラ疑惑、2013年にセス・マックファーレンがバッサリ斬っていた

今週アメリカで話題になっているハリウッドトッププロデューサー、ハービー・ワインスティーン氏のセクハラ事件。先週報道されていると思ったらまたたくまにトップニュースに(北朝鮮問題のことのほうが重要な気がしますが汗)。でも映画好きの私としては取り敢えず書かなきゃ…と言及してみることにします。

 

ハービー・ワインスティーンとは? ハリウッドで数々のヒット作をプロデュースまた監督、駆け出しの俳優をスターダムへ導くことに関してはハリウッドで彼の右に出るものはいないと言われている人物。「恋に落ちたシェイクスピア」や「ギャング・オブ・ニューヨーク」(私はどちらも好きではありません)など数々のオスカー受賞もした彼が現在約30名ものハリウッドの有名女優たちからセクハラやレイプ疑惑で告発されています。

 

過去にワインスティーンからのセクハラを訴えた女優もいたようですが、今回は動かぬ証拠が決めてとなりました。ワインスティーン氏のセクハラテープが世間に公表されたのです。私も先日ラジオでこの録音テープを聴きましたが、ワインスティーンがイタリア人モデルだというこの女性に「ホテルの部屋に来て自分がシャワーを浴びているところをみてて欲しい」と執拗に誘っている状況が露になった音声は生々しく、おぞましくて女性としてはもう"怒り"が湧いてきます。録音は盗聴だったそうで誰かにまんまと填められてしまったのですね。おばかでしたね。

 

今回私が一番信じられないのは周りの人たちの掌返したような態度です。セクハラはかなり前から行われていたようなのに、政治へ首を突っ込むことが大好きな正義感強いハリウッド人の多くが、「知らなかった」と言い切れることが信じられない(さすが役者)‼︎ セレブたちは今でこそ告発した女優の味方のようなことを言っていますがそれまでは仲間の悪行を黙認していた…のですよね? 

 

がしかし、このワインスティーン氏のセクハラ問題を2013年のオスカーノミネーションの場でバッサリと斬った人物もいました。


 

www.independent.co.uk

 

セス・マクファーレン。米国では人気テレビアニメーション「ファミリー・ガイ」のクリエーターとして有名ですが、コメディアン、俳優、歌手、プロデューサー、脚本家や映画監督などマルチタレントで活躍している彼、日本ではコメディ映画「テッド」の監督としてのほうが有名かもしれませんね。

  

マクファーレン氏は、2013年のオスカーノミネーションの司会を勤めた際に、助演女優賞候補者5名の名前をあげた後で「おめでとうございます!この5人はこれからハーバー・ワインスティーン氏のセクハラを恐れる必要はありません」といって笑いを取りました(本人いわくこの時は本気だったそうですが)。 マクファーレンは先日自身のツイッターで、当時一緒に仕事をしていた女優の友人からワインスティーン氏から受けたセクハラを聞き激怒し公共の場でこのジョーク(本気)を言った、と告白しています。頭が切れることでも知られるマクファーレン流石です。女優ティナ・フェイさんも2012年制作のコメディフィルム「30 ROCK」で同氏のセクハラを皮肉ったジョークを導入しています。それだけハリウッドでは有名な話だったということですね。

 

ちなみに、彼からセクハラを受けた女性のほとんどが20代の駆け出し女優だったそうです。日本の芸能界には昔から「枕業」という言葉がありますが、日本と違ってセクハラに対しては容赦ないと思っていたアメリカでもハリウッドは同じだったか…という思いです。そして、スターダムを夢見る若者を食い物にする有名プロデューサーは日本にも存在します。日本の場合はもっと酷いですね。だって未成年が餌食になったり、しかも芸能人が後に告発したケースもありましたがほとんど問題化されず闇に葬られて終わりだったと記憶しています。刑事問題に発展しないのが不思議だよ💢

 

オールドスクール的な芸能界のセクハラが浮き彫りになったハリウッドと未だに沈黙の日本。セクハラやレイプを告発するのは相当勇気のいることだと思いますが、日本でも勇気のある人が現れて“悪代官"を暴いてほしいものですね。

 

 

 

「プレイボーイ」を地で行った自由人、ヒュー・ヘフナー他界

男性向けの雑誌プレイボーイの創始者、ヒュー・ヘフナーが自宅のプレイボーイマンションで静かに息を引き取った、という記事が出ていました。享年91才。

 

ヘフナーは1953年に雑誌プレイボーイを創刊。それまでは子ども用のアクティビティの雑誌の編集をしていたそうです。その前はコピーライターをしたり、もともと編集の才能があった人だったのでしょう。ワシントンポストによると、創刊の際には$500の持ち金と母親から借りた$600を含む数千ドルの借金をしたそうですが、数年後には雑誌は大成功を収めミリオナーになりました。当時の米国のビジネスマンとしては、ディズニーの創設者ウォルト・ディズニーと比較されるほどの人物だと言われています。

 

私の記憶に新しいヘフナーは10年程前に放映されていたテレビのリアリティショー「The Girl Next Door(ガールネクストドア)」の中で、自宅のプレイボーイマンションで3人の若いパツキン美女たちと暮らすおじいさん。なぜかこの番組に嵌っていた真面目な理系の友人宅でこの番組を観せられ、お城のような豪邸でバイアグラを飲み孫くらい年齢差のあるセクシーなヤンキー娘と恋愛を繰り広げるおじいさんはどこか憎めず、「映画を地でいくような人だなぁ」と思いながら観ていました。しかし、世の男性が羨むプレイボーイな生活を地でいったヘフナーが童貞を失ったのは22才と遅咲きだったらしいです。

 

米カリフォルニアのプレイボーイマンションには文字通り美しいプレイガールたちが住み、数多くの著名人やミュージシャン、映画俳優が訪れ、ピーク時は毎夜のようにパーティーが繰り広げられる賑やかな社交場だったそうです。なにかで読んだのは、地下に続く道があり有名人がいつでもシークレットに来れるようになっていたらしく、その中にはジャック・ニコルソンのような名優もいたとか。このマンションは2016年に100ミリオンドル(一億ドル)で売却されましたが、売却後もヘフナーが生涯住んでも良いという契約上、亡くなったのも「プレイボーイマンション」だったようです。

 

米国ではアダルト向けの男性誌が正式に創刊されたのはプレイボーイが初めてのことだったそうです。プレイボーイと言えば女性の裸が掲載されている成人男性向けの雑誌、その創始者の彼がもとは子ども向けの雑誌の編集をしていたとは意外でした。ビジネスの他には公民権の活動家としても知られており筋金入りのリベラル派の自由人でもあったようです。

 

昨年はプレイボーイがヌードの掲載をしないことを発表し「ヌードがないプレイボーイって意味あるの?」と話題になっていましたが、今年になってまたそれを撤回。テクノロジーの時代になりヌード写真も雑誌をコソコソ購入しなくてもどこでもみることができ、人々が雑誌もあまり手に取らなくなった今、ひとつのカルチャーを作り上げた人が亡くなり、時代がまた変わるのですね。

 

プレイボーイには一度もお世話になっていませんがやはり寂しいです。

R.I.P ヒュー・ヘフナー

 

#映画 #ヒューヘフナー死去 #プレイボーイ

ハワイで生まれて初フィギュアスケート鑑賞!オリンピアンの団結が素敵すぎる

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ジャネット・リンさん以来のアイススケートファン

生まれて初めてフィギュアスケートショーを観に行きました! しかもまさかのハワイで。自分でもびっくりしています(笑)。

フィギュアスケートを鑑賞するのはもともと大好きです。遠い昔に遡ると、母と一緒にテレビで観ていました。母はジャネット・リンさん(年がバレバレですね)を可愛いと言っており、当時まだ小学生だった私も金髪のマッシュルームカットにソバカス、健康的な太ももで何回転んでも笑顔を忘れる事なく立ち上がってジャンプをする健気なリンちゃんの大ファンでした。当時は彼女の映画まで出来(行きたかった)、思えば彼女が日本のフィギュアスケート熱の火付け役だったのではないでしょうか? 母の影響とリンさんがきっかけで当時からもう何十年もの間、オリンピックやチャンピョンシップのフィギュアスケートだけはテレビの前に待機して鑑賞しています。

 

でも、実際にこの目でみたのは今回が初めてです。素晴らしかったです。あ、このイベントは1992年アルベールビルオリンピック女子シングル金メダリストのクリスティ・ヤマグチさんが発起人の「ゴールデン・モーメント」というものです。出演者はこんな顔ぶれです(以下ご覧下さい)。スゴい!

 

金メダリスト: クリスティ・ヤマグチ(アルベールビル)、ブライアン・ボイタノ(カルガリー)、
メリル・デイヴィス&チャーリー・ホワイト(ソチ)、
エカテリーナ・ゴルデーワ(カルガリー)、荒川静香(トリノ)
銅メダリスト: 高橋大輔(バンクーバー)、ジェレミー・アボット(ソチのチームイベントにて)
世界選手権チャンピオン: 佐藤有香(千葉)
全米選手権チャンピオン: ケイディー・デニー&ジョン・コフリン(米国)

 

カリフォルニア基盤のイベントのようで同イベントがハワイで開催されるのは今回が2回目。前回は2015年秋に行われています。その時も行きたいと思いつつ値段を躊躇して諦めたのです。しかし、今回は弾みからなんとラストミニッツでチケットを購入し行ってしまいましたぜ!笑 結果。。。

行って良かった〜!

 

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高橋大輔はスピード王、荒川静香のクール女王、佐藤有香さんのしっとり感

日本からは、高橋大輔さん、荒川静香さん、佐藤有香さん(は現在米国在住なのですね?)が出場されていましたが、どの方も素晴らしかった。そして今回最も驚いたのは大ちゃん(と呼ばせて下さい笑)の人気です。オリンピックでメダルを取られたのは知っていましたが、ずっと日本を離れており色んな情報に浦島太郎の私は、彼の人気の高さのレベルを知らずにいました。そして今回そのレベルの高さに驚きました。お友だちが「彼は現代のスケートを作った人」だと教えてくれました。そうなんですね〜。しかも可愛い〜し! そして、私たちの期待を裏切ることなく、いや期待以上にキレッキレの演技をみせてくれました。私はフィギュアスケート、女性も男性も好きですが、スピード感のある男性のスケートが特に見どころたっぷりで好きです。まさに彼の演技がそれでした。高橋大輔さんのイベント前のショートインタビューはこちらから観れます。

 

写真は見えにくいですが、高橋さんの後ろに写っている赤いドレスの女性、この方も実はすごい人物。トニー賞の受賞歴を持つ世界的に有名なミュージカルスター、レア・サロンガさんです。なんとこのショーはサロンガさんのライブの曲にのり滑るというもの。サロンガさんは7歳の時にブロードウェイの「王様と私」でデビューしその後も数々の名作に出演。ディズニーの「ムーラン」や「アラジン」でジャスミンの曲も歌っています。今回は、有名なレ・ミゼラブルの「I dream a dream」の曲でエカテリーナ・ゴルデーワさんが滑るシーンもみられました。ハワイにブロードウェイのミュージカルが来ることさえ稀なので、彼女の生歌をハワイで聴けるのも奇跡に近い! 最高峰のアイススケーターとシンガーの両方をいっぺんに堪能できるなんて贅沢中の贅沢、今思えば、

素晴らしすぎ〜❣️

 

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荒川静香さん アナ姫の「Let It Go」で

 

荒川静香さんは私が大好きな映画「ミッション」の中で使用された名曲ネッラ・ファンタジア(サラ・ブライトマン曲)でパフォーマンス。荒川さんいわく「ハワイのイメージにあった癒しの曲」ということでした。ロバート・デニーロ主演で南米の植民地で伝道をする宣教師の心の葛藤と愛を描いた哀しいストーリーに相応しい美しい曲です。スラッとモデルさんのような容姿でクールビューティの荒川さん、氷上でも華麗な演技を魅せてくれました。まさに金メダリストの女王の風格です。

 

そしてその荒川さんに劣らず美しかったのが、佐藤有香さん。淡いブルーの妖精のような衣装を纏い滑る姿は女性らしく妖艶という言葉がぴったりです。アイススケートは衣装のほうも見どころとしてはかなりのポイントなので、有香さんの衣装は私的には今回一番でした。昔テレビで拝見していたショートカットでボーイッシュな印象からは遥かにかけ離れた、しっとりとした大人の女性への変身ぶりはまさにさなぎから蝶(失礼かしら?)。そしてとても40代には見えなかった! 若い!

 

アスリートって、クリスティさんもそうだけど(46だそうでビックリ⁉︎)なんでみんなあんなに若いの? 厳しい競争の世界で様々なストレスを乗り越えられる強靭な肉体とメンタリティがアンチエージング効果でしょうか?(だとしたら私は最悪、泣) 

  

アメリカ人のスケーターたちも素晴らしかったです。娘さんと一緒に滑られたクリスティさんをはじめ、まだ記憶に新しいのはソチでアイスダンスでアメリカに初のゴールドメダルをもたらしたメリル・デイヴィスさん&チャーリー・ホワイトさん。メリルさんはテレビで観るとファニーフェイスだと思っていましたが実物はめちゃ可愛くて、しかもあの身軽さはなんだ!人間じゃないよ!?…なんて笑。アメリカンらしいカーボーイ調やロックにのせてのパフォーマンス、バク転お披露目のサービスも、素晴らしい!(素晴らしい、スゴいの連発でご免なさい、笑)

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写真がボケボケですみません💦2階席なので必死でした

 

ショーの素晴らしい目的とメンバー仲良し!

そしてこのイベント、このパフォーマンスに加えてもっと素晴らしいことがあるのです。それは何かというと、イベントの目的がチャリティーだということ。ショーの収益金は、クリスティさんが立ち上げた「オールウェイズ・ドリーム・ファウンデーション」という慈善財団により低所得層者の学区の子どもたちの読み書き能力の支援に使われます。クリスティさんの幼少期の読書が子どもの教育に役立ち将来の可能性を広げてくれる、とう思いが込められています。クリスティさんの娘さんたちは偉大なお母さんに恵まれチャレンジの可能性は無限大なのでしょうが、そうでない子どもにも手を差し伸べ自ら学校を訪れたりと子どもたちと接するクリスティさんを心から尊敬します。

 

それから今回のイベントでもうひとつ思った事。参加していたアスリートが楽しそうで、皆さん和気藹々と仲良しだということ。クリスティさんの統率力や人柄もあるのでしょうが、出演者の笑顔も演技も全てが素敵で、大、大、大満足でした。またハワイに来てほしい! 前回は値段が高くて諦めた私が、次回は奮発して前の列を取ろうかな?と考えているほどですから、アハハ〜。アスリートの皆さん、夢のような時間をありがとうございました。次回は母も一緒につれって行ってあげられるといいな。

 

#ハワイ #高橋大輔 #荒川静香 #佐藤有香 #クリスティヤマグチ #ゴールデンモーメントハワイ 

 

 

To The Bone リリー・コリンズが拒食症の女の子を演じる

 

 

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Netflixのオリジナルムービー「To the Bone」を観ました。拒食症の女の子と彼女を取り巻く人々との人間ドラマ。ティーンの女の子の心の病気を描いた作品はウェノラ・ライダー主演(アンジェリナジョリーも出てる)の「ガールインタラプテッド(17歳のカルテ)(1999年)」がありましたが(あれは重かった💦)、これまで摂食障害がテーマの映画ってあまりなかったような気がします。それだけ複雑で描くのが難しいテーマなのかなとも思います。ちなみにどちらもノンフィクションです。この映画は暗くなりがちなテーマをユーモラスな部分も盛り込んで描いてあるので辛いけど見やすかったです。

 

主人公の女の子エレン(リリーコリンズ)は拒食症で命が危険な状態なため専門の心療内科に入れられているんですが、途中で逃げ出して来ちゃう。心配する家族は治療を拒否するエレンを無理矢理その分野では名医のサイコロジスト(キアヌ・リーブス)のところへ連れて行きます。エレンは義理の母親に反抗して産みの母と暮らすものの母親からも一緒に住めないと言われ行き場を失う、そして姉を心配する妹の願いでキアヌの心療キャンプに入る。そこには摂食障害や心に問題を抱えたティーンたちがたくさんいた…

 

多感な思春期、モヤモヤや辛いこともあるけれど、 異性に心をときめかせたり、友だちとワイワイ買い食いしたり、スポーツに打ち込んだり、将来に夢を膨らませたり、と楽しいこともたくさんある時期。そんな時に他の事には目もくれずカロリーや体重だけを気にし、ダイエットどころか最悪の場合死に至る事も稀ではない拒食症。見た目は若い娘とは思えないほど活気がなく どんなに痩せ細って骨と皮だけになってもそれでも食べる事が出来ない、食べないその意思は固く心臓が止まるまで医者でさえも救えない事もある恐ろしい病気。この映画では女の子が 静養所で会った人々との出会いを通じて少しずつヒーリングの鍵を見つけていく様が描かれています。

 

主人公のリリー・コリンズは、英国のロックバンド「ジェネシス」のドラマーでボーカルのフィル・コリンズの娘。モデルでもあるリリーは「It girl (イットガール)」と言われ数々のファッション雑誌を飾る二世俳優。大きな瞳にキリッと濃いまゆが印象的なスレンダー美人のルックスは明らかに四角い顔&おハゲでずんぐり体系のが父親似ではない! が芸達者なDNAは父からしっかり受け継いだと見た。

 

しかし、この映画を観て彼女がただの七光りではないことがわかりました。クローズアップのシーンはボディダブルを使っていたと思われますが、本当に拒食症だと疑わないほどやせ細った身体から相当激しいダイエットをして究極のところまで自分を追い込みこの役柄に挑んだのではないかと思わせる迫真の演技でした。

 

辛いテーマもだけど私のこの映画への感情移入も大きかった。なぜなら私自身も14歳の頃から摂食障害を患っていたからです。私は拒食症ではなかったですが、摂食障害の人特有の心理や感情は自分も通った道なので痛いほどわかったし、だからこそ主人公がヒーリングに至るまでのプロセスは涙なしには見られませんでした。

 

私が若かった頃はまだ摂食障害なんてあまり知られていなかったし(80年代にカーペンターズの妹カレンが拒食症で亡くなってから世間に知られて来ました)、当時は私も自分がまさか病気だという自覚ゼロだったのですが、今振り返ってみると一見明るい普通の女子高生のようでしたがあの頃の楽しい思い出はほとんどなく、けっこう暗くて過酷な青春を過ごしていたのだなあと改めて思うのです。

 

摂食障害は一般的にお利口さんやがんばり屋さんの子がなりやすいと言われています。思春期でただでさえホルモンのアップダウンが激しい時に自分を抑えていたり、親に甘えられない子や自分に自信が持てない子など色んな要因がありますが、自分をコントロールすることによって達成感を感じてしまうんですね。五体満足な何も心配ないでないの? というような子がいつの間にかかってしまうのでやっかいな病気なんです。この事についてはまた詳しく書いてみたいと思います。

ネットフリックスのオリジナルムービーけっこうおススメです。

 

 あ最後に、キアヌ・リーブスはやっぱり何を演じてもキアヌだなと思いました。笑笑

 

#tothebone  #リリーコリンズ #netflix  #映画紹介