ハワイより愛をこめて | シネマ日記

人生はシネマのようなもの。ハワイはオアフ島在住の主婦が大好きな映画のことや日常について綴ります

アカデミー候補 ③ ダンケルク(Dunkirk)

 

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今週日曜のオスカー作品賞授賞式まで、全米のリーガルシネマで作品賞ノミネートの映画が全て、(リーガルクラウン無料会員のみ)一本$5で観られるというイベントが開催されています。

 

なんて素晴らしい企画なのでしょう。昨年のハリウッドは醜いスキャンダルのおかげで、アカデミー賞のビューが懸念されての対策でしょうか?

 

どうでも良いけど、チャンスとばかりに、すでに先週から3本観てきました。それも普段は14ドルもするリクライニング式チェアのシアターで(嬉)! こんなに映画にどっぷり浸かるのも久しぶり。幸せ〜! まずはこちらを観てきました。

 

ダンケルク。今年のノミネートの中では興行収入 ナンバー1の作品と言われています。監督は「バットマン、ダークナイト」や「インセプション」のクリストファー・ノーランで、「ダンケルク」は彼の作品の中では最高という評価も得ています。

 

ところで、話題作だったわりには映画館の観客は私を包めてたったの4人のみ。しかも隣の席のおじさんは途中で帰ってしまってたし。まあ数ヶ月前に上映されていたせいもあるのでしょうが、おかげて最新ハイテクシアターの特等席で悠々と鑑賞する事が出来ました。

 

 

youtu.be

 

題名:Dunkirk(ダンケルク)2017年 106分

監督:クリストファー・ノーラン

主演:フィオン・ホワイトヘッド、トム・ハーディー

 

 

ダンケルクの感想

戦争映画はあまり好まない私だがこの映画は良かった。普通の戦争映画とはちょっと違う。何が違うかといえば、戦うシーンより逃げ惑うシーンがほとんどである。戦争ものというより人間ドラマ。台詞は少なく、字幕なしでもアクションを観ているだけで大体何が起っているかつかめる。

 

ストーリーは、太平洋戦争勃発時にヨーロッパで権勢を振るっていた、ヒトラー率いるナチス軍がフランスを占領し、戦いに敗れた英仏兵を「ダンケルク」という場所で救出する超ミラクルなダイナモ作戦を描いたもの。登場人物はほとんどは架空だが、歴史的な事実に基づいた本当の話である。

 

ウィンストン・チャーチルと時代が重なるため、2週間前に観たチャーチルの映画「Darkest Hour」がまだ記憶に新しい私にとっては、余計に興味深かった。というより、チャーチルを観てダンケルクに興味を持ちこの映画を観ようと思った。歴史好きはともかく、私のように歴史に疎く「ダンケルク」のことを知らない者には、「Darkest Hour」でわからなかった部分をこの映画が説明してくれるのでスッキリする。

 

クリストファー・ノーラン監督らしい、始まりからラストまでグレーがかりどんよりした世界観が味わえるも、ラストは予想外に爽やかでそれもまた良かった。ツッコミどころは、生き残った兵士がイケメン揃いで(映画だから仕方がないとはいえ)、あとトム・ハーディだけがスーパーヒーローのようにカッコ良すぎるのが違和感があった。

 

軍隊だけでなく民間の漁船までが出動した、ダイナモ作戦の事実に感動した。ダンケルクの戦いとチャーチルについて、両作品でこのようにポジティブに描かれているということは、勝利せずとも(結果的には勝利だったが)、イギリス人にとっては栄誉ある歴史だったに違いない、と歴史に疎いわたしが思った。誇り高いと言われるイギリス人の不屈の精神が描かれていたと思う。