ドイツ映画「ヴィクトリア」ワンカット効果はあるか?
題名:ヴィクトリア:
2015年独
2時間18分
クライム、ドラマ、ロマンス
監督&脚本 Sebastian Schipper
主演 Laia Costa, Frederick Lau, Franz Rogowski
ストーリー: ベルリンの或る夜、スペイン人の留学生ヴィクトリアは1人で出かけたクラブの帰りに男たちから声をかけられる… 異国の地で暮らす孤独な少女の運命は…⁉︎
(感想) ややネタバレ注意
映画オタクの次男から何度も薦められていたのに観ていなかったところ、先日無理やりみせられてしまいました。2015年ものですが遅ればせながら検証します!
映画を観る前に息子が教えてくれた2つのポイント:
1 )最初から最後までワンカットで撮影してあるところがスゴい!
2 )間抜けな強盗のお話(これは私にとって完全ネタバレでラストがどういう風なのか大体想像がつきました、まだ観てない方ごめんなさい(*≧∀≦*))
まず、140分ワンカットというところ。台本も12ページと短かく、ほとんどのシーンは役者たちのアドリブでカバーされているのだそう。これ特に意識して観ていませんでしたが、結果的には、主人公が体験するまるで悪夢のような出来事にリアル感を与え、クライムムービーとしての緊迫感を増すのにも効果大だったと思います。
さらに、最後の40分間でヴィクトリアのハートビートがバンバン伝わってくるようなハラハラドキドキ感も半端なく、感情移入して一緒に号泣してしまいそうでした。
登場人物は、世間知らずな少女と間抜けなチンピラ。ストーリー的にはこんな無知な女の子いまどきあり得ん、ハチャメチャな展開になったのも自業自得という意見も多いでしょう(特にアメリカ人)。でもいくらリアル感があるたってこれはフィクションだし、そもそも映画ってありそうであり得ん話だらけではないでしょうか?と思うわけです。
しかしそう言う私も実際冒頭のシーンで可愛い少女が見知らぬ男4人組に誘われノコノコ着いて行くところで、危ないーーー!とハラハラしながら観ていました。ところがチンピラたちは根っからのワルではなく観る人を一瞬ホッとさせる、そしてあたかも静寂なムードに戻ったかと思ったところでまたクライマックスへと方向転換させる部分にも無理がない。ワンカットでよくここまで出来たなと感心、いやワンカットだからこそ出来たのか?そこらへんは定かじゃないですが笑。
あとわたし的には、70年代に観たお人よしのチンピラが登場する青春ものを彷彿させるセンチメンタルっぽさが好きです。懐かしいというより逆に新鮮な感動でした。切なさが残るラストも同じ意味で良かったです。
あのラストからだと「ヴィクトリア」の続編が出て来てもおかしくない気もしますが、続編はシラけるので出ないことを祈ります。
結論、ワンカットの効果は十分見られる。息子の映画のセンスに感謝💘
#ヴィクトリア #映画 #ドイツ映画