ハワイより愛をこめて | シネマ日記

人生はシネマのようなもの。ハワイはオアフ島在住の主婦が大好きな映画のことや日常について綴ります

1月13日(土) ハワイ、核攻撃をサバイブ

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1月13日(土)、歯ぎしりでもしていたのか寝ている間に前歯が少し欠けてしまった。朝8時ごろ起き一番に歯科に予約の電話を入れ、携帯を置いた途端ブザーが鳴りだす。警報のように怪訝な音!? 

 

こんな良いお天気なのにまた大雨注意報か? と呑気に携帯を見てみると、

一瞬目を疑った。

 

BALLISTIC MISSILE THREAT INBOUND TO HAWAII. SEEK IMMEDIATE SHELTER. THIS IS NOT A DRILL. (弾道ミサイルがハワイに向かって打たれた模様。直ぐ安全な場所に非難してください。これは訓練ではありません)

 

とある。

 

訓練ではありません⁉︎

ってことは、核ミサイルがハワイまで来てるの? 今?? えーーーどうする??

 

慌ててシャワーにいる夫を呼ぶと、サイレンは鳴っているかと聞くので窓を開けて耳をすますが弾道ミサイル警報のような音は何も聞こえない。ならば多分大丈夫だろ慌てるな、という夫。

 

外は良い天気で核爆弾が来ているような緊迫した雰囲気はみじんも感じられないのだが、テレビには同じような警告がタラップで流れている。

 

こんな時って15分くらいで地下とかに避難しなきゃいけないんだよね? どうしよう?  などと思考を巡らすうちに5分は経過。するとジムに行っていた長男から電話が来た。

 

長男「お母さん、今核爆弾の警報が出てるから解除されるまで家からでちゃ絶対ダメだよ、僕もジムにいるから」

 

私「うんわかった気をつけてね」

 

シャワーから出て来た夫は座って何もないかのようにテレビのサッカーを見ている。私はといえば、どうしてもバスでジムに行くと聞かない次男に「危険だから止めなさい!」と怒ってたら、夫からもう大人なんだから好きなようにやらせろ、と言われたりしてすでに15分くらい経過していた。

 

怒りながらFBで他人の情報をチェックしていると誰かのスレッドに「この警報は間違いです!」という投稿を見つけ喜んでいたところ、しばらくして警報が解除されたという知らせがテレビのタラップで流れた。最初の警報が出されて38分後のことである。

 

解除されたので歯医者に行き、歯科助手の女性と「怖かったよね〜」と話した。その女性の旦那さんが米本土にいる娘さんに電話で「愛してるよ」と伝えて泣いたという話を聞いた時、初めて事の重大さを感じた。笑い事じゃないんだって思えた。

 

それだけ私は緊張してなかったってことか? 核爆弾が近づいている警告があったにも拘らず危機感が感じられなかったのは何故だろう? 友人の中には死ぬと思ったという人もいたが、勘というものが働いたのかどうかは謎だがこの時私には「死」というものが全く感じられなかった。

 

外を見れば良い天気で暖かくて平和そのもので核攻撃とは無縁のようだった。ご近所もガレージ開けっ放しのお家もあって何も普通と変わりがなかったし、隣の若者は何が起こってるの?とうちに聞きに来てた。我が家は丘の上にあってもちろん地下室などもないしこの小さな島でどこにも逃げられないという一種の諦めもあったかも。

 

後でニュースを見たらホノルルはパニック状態のところもあったようだ。マンホールに子どもを避難させている親の動画がシェアされ、俳優のジム・キャリーもこの非常事態にタイムリーに(?)ハワイ入りしてたらしく、「朝起きたら後10分の命だった」とツイートして後日ニュースで話題になっていた。

 

今回人それぞれ色んなリアクションがあったようだが私の周りの人たちはこんな感じだった。

 

●核爆弾が来たらどうせこの島は沈没すると思いベッドに戻り二度寝した。

●今日が人生最後の日だと思った。

●近所の人とどこに逃げたら良いの?と話したが逃げ場がないと悟り諦めてコーヒー飲んでた。

●ジムで自転車を漕いでいた。

●KCC朝市で仕事してたがみんな慌てて逃げる様子もなかった。

●マウイ島のホテルのプールにいたが誰もパニクってなかった(多分遊んでたから警報に気づいてない)。

●板持って海に入ろうとした時に警報が、でもサーファーは海で死んで本望だとサーフィンした。

 

などなど、私の周りは意外に開き直って普通に行動していた人が多かったようだ。

 

だけどジムから電話して来た長男は違ってたようだ。パールハーバー基地内のジム内にいたため緊迫感が半端なかったらしく、警告が完全解除されるまで40分間ワークアウトも外に出るのも許されなかったのだそうだ。

 

マジで自分はここで死ぬのだと思ったらしい。ホノルル市内に住むガールフレンドの安否も危ないと思ったから、自宅と彼女に電話して「アイラブユー」と伝えたかったそうだ。お別れの電話だったのだ。涙もろい子だからもしかして泣いてたかも。涙

 

なのに私ときたら、電話が来たときアイラブユーの一言くらい返してあげれば良かった。可哀想なことをしてしまった。さぞかし冷たい親だと思っただろう。

 

先月ハワイで初めて弾道ミサイルの予備サイレンが鳴らされた時、万が一本当に起こってどうせ死ぬんだったら職場じゃなくて家族と一緒が良いと真剣に考えた事があった。週末の朝だったからシチュエーション的には良かった、仕事日だったらもっとパニック状態だったかもしれない。

 

しかし、後で落ち着いて考えたらその15分間にもっとやれることあったかも…日本の家族に電話したりとか、子どもに怒ってる暇があったら旦那と真面目な話したりとか、好きなもん食べたりとか(これはちょっと違うかも)。

 

実際間違いでほんとうに良かったが、平和な南の楽園ハワイで週末の朝起きた前代未聞の出来事で多くの人が共通して言ったことは、

 

「いつ何が起こるかわからないから毎日を大切に生きよう」という事だった。私もそう思う。

 

人為ミスとは人騒がせでやれやれだが、これを気づかせてくれたのはプラスだったかも。

 

 #ハワイ #弾道ミサイル #弾道ミサイル誤報  #核攻撃