ハワイより愛をこめて | シネマ日記

人生はシネマのようなもの。ハワイはオアフ島在住の主婦が大好きな映画のことや日常について綴ります

To The Bone リリー・コリンズが拒食症の女の子を演じる

 

 

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Netflixのオリジナルムービー「To the Bone」を観ました。拒食症の女の子と彼女を取り巻く人々との人間ドラマ。ティーンの女の子の心の病気を描いた作品はウェノラ・ライダー主演(アンジェリナジョリーも出てる)の「ガールインタラプテッド(17歳のカルテ)(1999年)」がありましたが(あれは重かった💦)、これまで摂食障害がテーマの映画ってあまりなかったような気がします。それだけ複雑で描くのが難しいテーマなのかなとも思います。ちなみにどちらもノンフィクションです。この映画は暗くなりがちなテーマをユーモラスな部分も盛り込んで描いてあるので辛いけど見やすかったです。

 

主人公の女の子エレン(リリーコリンズ)は拒食症で命が危険な状態なため専門の心療内科に入れられているんですが、途中で逃げ出して来ちゃう。心配する家族は治療を拒否するエレンを無理矢理その分野では名医のサイコロジスト(キアヌ・リーブス)のところへ連れて行きます。エレンは義理の母親に反抗して産みの母と暮らすものの母親からも一緒に住めないと言われ行き場を失う、そして姉を心配する妹の願いでキアヌの心療キャンプに入る。そこには摂食障害や心に問題を抱えたティーンたちがたくさんいた…

 

多感な思春期、モヤモヤや辛いこともあるけれど、 異性に心をときめかせたり、友だちとワイワイ買い食いしたり、スポーツに打ち込んだり、将来に夢を膨らませたり、と楽しいこともたくさんある時期。そんな時に他の事には目もくれずカロリーや体重だけを気にし、ダイエットどころか最悪の場合死に至る事も稀ではない拒食症。見た目は若い娘とは思えないほど活気がなく どんなに痩せ細って骨と皮だけになってもそれでも食べる事が出来ない、食べないその意思は固く心臓が止まるまで医者でさえも救えない事もある恐ろしい病気。この映画では女の子が 静養所で会った人々との出会いを通じて少しずつヒーリングの鍵を見つけていく様が描かれています。

 

主人公のリリー・コリンズは、英国のロックバンド「ジェネシス」のドラマーでボーカルのフィル・コリンズの娘。モデルでもあるリリーは「It girl (イットガール)」と言われ数々のファッション雑誌を飾る二世俳優。大きな瞳にキリッと濃いまゆが印象的なスレンダー美人のルックスは明らかに四角い顔&おハゲでずんぐり体系のが父親似ではない! が芸達者なDNAは父からしっかり受け継いだと見た。

 

しかし、この映画を観て彼女がただの七光りではないことがわかりました。クローズアップのシーンはボディダブルを使っていたと思われますが、本当に拒食症だと疑わないほどやせ細った身体から相当激しいダイエットをして究極のところまで自分を追い込みこの役柄に挑んだのではないかと思わせる迫真の演技でした。

 

辛いテーマもだけど私のこの映画への感情移入も大きかった。なぜなら私自身も14歳の頃から摂食障害を患っていたからです。私は拒食症ではなかったですが、摂食障害の人特有の心理や感情は自分も通った道なので痛いほどわかったし、だからこそ主人公がヒーリングに至るまでのプロセスは涙なしには見られませんでした。

 

私が若かった頃はまだ摂食障害なんてあまり知られていなかったし(80年代にカーペンターズの妹カレンが拒食症で亡くなってから世間に知られて来ました)、当時は私も自分がまさか病気だという自覚ゼロだったのですが、今振り返ってみると一見明るい普通の女子高生のようでしたがあの頃の楽しい思い出はほとんどなく、けっこう暗くて過酷な青春を過ごしていたのだなあと改めて思うのです。

 

摂食障害は一般的にお利口さんやがんばり屋さんの子がなりやすいと言われています。思春期でただでさえホルモンのアップダウンが激しい時に自分を抑えていたり、親に甘えられない子や自分に自信が持てない子など色んな要因がありますが、自分をコントロールすることによって達成感を感じてしまうんですね。五体満足な何も心配ないでないの? というような子がいつの間にかかってしまうのでやっかいな病気なんです。この事についてはまた詳しく書いてみたいと思います。

ネットフリックスのオリジナルムービーけっこうおススメです。

 

 あ最後に、キアヌ・リーブスはやっぱり何を演じてもキアヌだなと思いました。笑笑

 

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