ハワイより愛をこめて | シネマ日記

人生はシネマのようなもの。ハワイはオアフ島在住の主婦が大好きな映画のことや日常について綴ります

Given〜3歳児の目を通してみる美しい世界

 

タイトル:Given(2016年アメリカ映画)

ジャンル: ドキュメンタリー

監督: Jess Bianch

ストーリー: ハワイ・カウアイ島在住のプロサーファー Aamion Goodwin 夫婦が3才と生まれたばかりの子どもを連れて世界旅行に出かける。

 

 

 

3才児の眼を通して見えるものは新鮮な驚きと好奇心に溢れた未知の世界であり、家族の愛に包まれた温かな場所でもあった。

 

 絵はがきのようにフォトジェニックな世界が6才(当時3才)のギヴィン(Givin)のナレーションとともにスクリーンに映し出される。

 

自分の父親が過去にしたように、幼い子どもたちと妻を連れて未知の旅にでる男。そこには海と自然、人々との出会いがあった。

 

さらっと観れるロードムービーだと思ったら、なんと子どもの成長や家族の絆に緩く感動したり、男のロマンも感じられる2時間だった。巨大魚を探し求めて世界を旅するお父さんは男のロマンの象徴であり、そのお父さんがやっとこさ捕まえた巨大魚を家族のもとへ持ち帰るところは父の象徴的なシーンでもあると私は思った。

 

今の私の周りにはない生き方、一応人並みにアクセク生きて来た(笑)自分とは無縁の世界がそこにはあったが、この世の中色んな人生観があってからこそ面白いのだ。何も縛られず自由に子育て、サーフィンや旅をするヒッピーな生活、現実に戻ってしまうが、やっぱりプロサーファーだから出来るのかしら?笑

 

そしてラストで男の子が語ることばが印象的。(確かじゃないけどこんな感じ?) 

「You don't have to chase your dream, you can just follow your path and meet people, and you will find it.  (夢は追っかけなくても良いのさ。自分の道を歩んだら出会いの中から見つかるから)」

 

 

何かほっとする言葉。多分6才の子どもは言わないと思うけど😸(監督さんの哲学か?)、 20代の頃の私が聞いていたら大きく頷いてたはず。どこかで子どもたちが行き詰まってたら教えてあげたいと思います。 

 

旅好きの人は必見の一作💙

 

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p.s. ホノルル美術館で年に一度開催される「サーフ・フィルム・フェスティバル」の一環で上映されていました。サーフィンがテーマの作品が一気に上映されるので好みの作品も見つかるかもしれません。カイルアやノースショアに住んでいそうな白人やサーファーっぽい観客の中に混じって観てきました。

ドイツ映画「ヴィクトリア」ワンカット効果はあるか?

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題名:ヴィクトリア:

2015年独

2時間18分

クライム、ドラマ、ロマンス

監督&脚本  Sebastian Schipper

主演  Laia Costa, Frederick Lau, Franz Rogowski 

 

ストーリー: ベルリンの或る夜、スペイン人の留学生ヴィクトリアは1人で出かけたクラブの帰りに男たちから声をかけられる異国の地で暮らす孤独な少女の運命は…⁉︎

 

(感想) ややネタバレ注意

映画オタクの次男から何度も薦められていたのに観ていなかったところ、先日無理やりみせられてしまいました。2015年ものですが遅ればせながら検証します!

 

映画を観る前に息子が教えてくれた2つのポイント:

1 )最初から最後までワンカットで撮影してあるところがスゴい!

2 )間抜けな強盗のお話(これは私にとって完全ネタバレでラストがどういう風なのか大体想像がつきました、まだ観てない方ごめんなさい(*≧∀≦*))

 

まず、140分ワンカットというところ。台本も12ページと短かく、ほとんどのシーンは役者たちのアドリブでカバーされているのだそう。これ特に意識して観ていませんでしたが、結果的には、主人公が体験するまるで悪夢のような出来事にリアル感を与え、クライムムービーとしての緊迫感を増すのにも効果大だったと思います。

 

さらに、最後の40分間でヴィクトリアのハートビートがバンバン伝わってくるようなハラハラドキドキ感も半端なく、感情移入して一緒に号泣してしまいそうでした。

 

登場人物は、世間知らずな少女と間抜けなチンピラ。ストーリー的にはこんな無知な女の子いまどきあり得ん、ハチャメチャな展開になったのも自業自得という意見も多いでしょう(特にアメリカ人)。でもいくらリアル感があるたってこれはフィクションだし、そもそも映画ってありそうであり得ん話だらけではないでしょうか?と思うわけです。

 

しかしそう言う私も実際冒頭のシーンで可愛い少女が見知らぬ男4人組に誘われノコノコ着いて行くところで、危ないーーー!とハラハラしながら観ていました。ところがチンピラたちは根っからのワルではなく観る人を一瞬ホッとさせる、そしてあたかも静寂なムードに戻ったかと思ったところでまたクライマックスへと方向転換させる部分にも無理がない。ワンカットでよくここまで出来たなと感心、いやワンカットだからこそ出来たのか?そこらへんは定かじゃないですが笑。

 

あとわたし的には、70年代に観たお人よしのチンピラが登場する青春ものを彷彿させるセンチメンタルっぽさが好きです。懐かしいというより逆に新鮮な感動でした。切なさが残るラストも同じ意味で良かったです。

 

あのラストからだと「ヴィクトリア」の続編が出て来てもおかしくない気もしますが、続編はシラけるので出ないことを祈ります。

 

結論、ワンカットの効果は十分見られる。息子の映画のセンスに感謝💘

 

#ヴィクトリア #映画 #ドイツ映画 

 

2017年アカデミー賞受賞リスト&狐につままれた作品賞

ハワイ時間2月26日夜、第89回オスカー賞(2017年アカデミー賞)の授賞式。

1年で一度面白い面白くないは関係なく、私が数時間テレビの前に釘付けとなる日です。

まずは結果からお知らせします。

<2017年アカデミー賞受賞作品> 

最優秀作品賞 ムーンライト

最優秀男優賞 ケーシー・アフレック(マンチェスター・バイ・ザ・シー)

最優秀女優賞 エマ・ストーン(ララランド)

助演男優賞 マハーシャラ・アリ(ムーンライト)

助演女優賞 ヴィオラ・デービス(フェンス)

アニメ賞 ズートピア

映像 ララランド

コスチューム ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

監督賞 ダミアン・チャゼル(ララランド)

ドキュメンタリー OJメイド・イン・アメリア

ドキュメンタリー短編 ザ・ホワイト・ヘルメット 

編集 ハクソーリッジ

海外作品 ザ・セールスマン

メーク スーサイド・スクワッド

音楽 ララ・ランド

オリジナルソング シティ・オブ・スターズ(ララランド)

ビジュアルエフェクト ザ・ジャングルブック

脚本(小説) ムーンライト

脚本(オリジナルスクリーンプレイ)マンチェスター・バイ・ザ・シー

 

<2017年の感想>

今年の受賞は事前に予想されていたとおりの筋書きだったと思います。昨年は、アカデミー賞の受賞候補者がほぼ全員白人だったことを「人種差別」だと一部が指摘、アフリカ系アメリカ人の女優のジェイダ・ピンケット・スミス(ウィル・スミス嫁)やスパイク・リー監督などがアカデミーをボイコットをするなど一悶着あり、アカデミー賞はかなり繊細になっていたようでした。

 

昨年に比べると、今年は上手い具合に分配されていたのではないでしょうか? いや、というより今年のアカデミーは慎重な選択をし、人種の面だけでなく文句なしの結果になったのではないでしょうか? ちなみに私は昨年のボイコットには全く賛同できませんでした。アメリカ人が人種差別に対して繊細なのはわかりますが、それを芸術(映画)にまでそれを持ち込むのはちょっと違うのでは?と思います。良いものは良い、感動しないものはしない、もし芸術で認められたければもっと良いものを作るしかないでしょう? 

 

偉そうに語っていますが、実は私今年はアカデミー賞受賞作品はどれひとつ見ていません(笑)。我が家の映画オタクの次男いわく、最優秀作品賞の「ムーンライト」は2度観たけど2回とも感動したそうです。今週じっくり観ようと思います。

 

がしかし...(ここから本題です!)

あのキツネにつままれたような作品賞の授与式はいったい何だったのでしょう? 

ハワイはハリウッドと2時間ほど時間差があるので、結果はなんとなくわかってテレビを観ていましたが、最後に行われた最優秀作品賞の結果発表の際に前代未聞のハプニングが起きました。

 

プレゼンターは「俺たちに明日はない」のゴールデンコンビ、フェイ・ダナウェイとウォーレン・ベイティ。輝くばかりに美しかった往年のスターも今では立派なシニア。そして封筒を開いたフェイさんが作品賞を読み上げました。

 

「最優秀作品賞は『ララ・ランド』です!」

「????」

「えっそうなんだ??さっきFBで誰かが『ムーンライト!』って投稿してたけど???『ララ・ランド』だったんだ...」と困惑して観ていましたら...

 

『ララ・ランド』のスタッフがステージに上がり一通りスピーチをし終えた後で、

「作品賞は『ララランド』ではなくて『ムーンライト』でした。本当です!」と言うではありませんか!?

はぁ? 

 

一瞬ショーを盛り上げるための演出の一部かと思いましたが、そうだとしたらあまりにも冗談がキツすぎる。昨年のミスユニバースでも司会者が優勝者の名前を間違えて読むという失態がありましたが、またですか😅? 最近の流行なのでしょうか? シニアモーメント(高齢の人がよく間違うこと)ですか? 全体的に地味な年だと思って観ていましたが最後に楽しませてくれました。だからやっぱりアカデミーは面白くないと言われても絶対観てしまいます😹

 

でもこの逆だったら大変なことになっていたでしょうね? もし『ララランド(白人作品)』が本命で、『ムーンライト(アフリカ系アメリカ人作品)』と間違われていたらきっと笑いではすまされなかったでしょう。特に昨年のボイコットの件などもありますしかなり炎上していただろうと思う訳です。

 

今回一番印象的だったスピーチは、最優秀海外作品受賞作の「ザ・セールスマン」のスピーチでした。イランの映画で監督さんは、現在トランプ大統領令のアメリカへの渡航禁止令によりアカデミー賞の授賞式に来る事が出来なかったため、代理人が受賞のスピーチをしなければいけませんでした。芸術にまで塀を作るなんてたいへん残念なことです。

 

とにかく『ムーンライト』作品賞受賞おめでとうございます💙💙💙

 

#アカデミー賞 #オスカー #第89回オスカー授賞式 #映画

Netflix おすすめドラマ3選 「ザ・クラウン」から目が離せない!

最近観たNetflix(ネットフリックス)のドラマをご紹介します。

3本とも実在の人物を描いたものです。

NetflixのドラマはテレビのようにCMもなく続きがすぐ観られるのが良いですね。

油断するとつい観すぎてしまいそうなので、ビンジウオッチングは避けて1回に1、2本ずつ観るように決めています(笑)。

 

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1.The Crown ザ・クラウン

製作: Peter Morganピーター・モーガン

最近私が一番嵌っているドラマシリーズ。エリザベス女王2世の王位継承にまつわる話やその当時のイギリスのエピソードが一話ごとに出てくる。現在シーズン1鑑賞中。スキャンダラスでドラマチック、華麗な英国王室から目が離せない! 監督は「ラストキングオブスコットランド」「ザ・クィーン」「フロスト」のピーター・モーガン。イギリス王室と言えばヘンリー8世の生涯を描いた「チューダー」にも嵌りましたがこちらもかなりの手応えです。

 

 

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2.Narcos ナルコス

製作: Carlo Bernard, Chris Brancato, Doug Miro

80年代のコロンビアを舞台に実在の人物、極悪非道な麻薬王パブロ・エスコバルと麻薬捜査官の闘いを描いたドラマシリーズ。シーズン1は迫力満点でかなり楽しめました。シリーズ2は1ほどの迫力にかけるものの今後が期待できるドラマシリーズ。

 

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3.Barrry バリー

監督:Vikram Gandhi

コロンビア大学在学中のオバマ大統領を描いたNetflix製作映画。ケニア人の父と白人の母を持つ混血の青年バリー(若かりしころのバラク・オバマ)が自己のアイデンティティを模索しながら成長していく様子を描く。普通の若者なオバマさんに好感がもてますますファンに(笑)イケメンの大統領もこれで見納めかと思いながら鑑賞。

 

#ネットフリックス #Netflix  #映画 #洋画 #海外ドラマシリーズ

マドンナのコンサート

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土曜日、朝10時くらいまで寝ていました。よっぽど疲れていたらしい。

 

あ〜週末とはいえ1日を無駄にしてしまったと後悔しながらもっそり起きてテレビをつけるとマドンナのコンサートのドキュメンタリー「Madonna: Rebel Heart Tour(レベル・ハート・ツアー)」やってる。

 

80年〜90年はよく聴いていたけど久々に観たマドンナ。凡人の自分とスーパースターを比べるのも何だが、同じ頃に子どもを持つ女性として同年代で未だに現役でバリバリパフォーマンスしているなんてスゴいです。身体だって昔より筋肉質だし、もちろん修正もたくさんしているけど、こんなに歌って踊って相当な努力を重ねていると思うとカッコいいというよりも尊敬の目で見てしまいます。毎日の積み重ね、継続出来るってすごい!

 

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あ〜マドンナのコンサートに行きたくなった。昔は外タレのコンサートもよく行ってました。ハワイに来てから大きなコンサートなんて行った事ない私ですがマドンナが来たら絶対に行きます! マドンナよハワイに来て〜! 

 

ちなみに90年のワールドツアー「In Bed With Madonnaインベッドウィズマドンナ」のVHSビデオ家にあった笑。

 

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さっ今日はジムでも行ってきますかね〜。

 

 

ジェニファー・ローレンスのKY発言とハワイアンカルチャー

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ジェニファーローレンスと言えば、「世界にひとつのプレイバック」でアカデミー賞女優賞も受賞し、2016年ギャラ高額ランキング堂々#1の女優とも言われている、ナチュラルな美貌と自由奔放さで若者からの指示が高い女優さん。これまで何回も大胆な発言をして周囲をあっと言わせているジェニファーが、今回はKYな発言でハワイの人々を怒らせてしまいました。

 

BBC放送のトーク番組に出演したジェニファーが司会者に「文化の違いと言えばハワイで撮影中のエピソードを教えてくれる?」と聞かれ、「ハワイのヒーリングストーンでお尻を掻いた」話をしたことがきっかけです。ウエットスーツを一日来ていてお尻が痒かったのかそこにあった神聖な石でお尻を掻いてすごく気持ち良かったそうです。詳しくはこちらのニュース記事にあるので気になる方は読んでみてください。

 

そもそもヒーリングストーンとは何かというと、ハワイにはヘイアウがあちこちにあります。ヘイアウは古代ハワイに神々や精霊に祈りを捧げるために作られた聖域のことです。中心には石が備えられその石はマナ(ハワイ語で魂という意味)が宿るものとされています。これがヒーリングストーンです。なのでヘイアウを訪れる際には先祖に敬意を払い中に入らなければ罰が当たるかもしれない、と初めてヘイアウを訪ねたときに教わり小心者の私はかなり緊張した覚えがあります。

 

気のよい場所に位置しているヘイアウ(パワースポット)は日本人観光客にも人気がありますが、やはり無知なために石の上に乗ったり暴れたりする人も多いと聞きます。そういえば、昨年ハワイ在住の某タレントがインスタグラムに自分の娘がヘイアウに寝そべっている写真を投稿してあやうく炎上しそうになったことがありました(注意されてすぐ消しましたが)。

 

そのようなハワイアンにとっては神々しいヒーリングストーンでジェニファー・ローレンスが「お尻を掻いた」話を冗談まがいにしようものなら、ハワイアンや地元の人々が怒るのも無理はありません。無知というものは怖いですね。怒りの声の中には「人の文化やしきたりをリスペクトしてほしい」と言う意見がありました。どこの土地にいっても郷に入れば郷に従えです。ハワイに住んでいると色んな事を学びます、たくさんの文化が共存している島ですから。古代ハワイアンの思想に賛同しないとしてもそれを尊重するのはこの島に住んでいる上での基本であると私は思います。

 

ちなみにジェニファーは炎上したあとで独自のFBで謝罪をしたそうです。でも今回ハワイファンを多数失う事は免れないでしょうね。

 

P。S。上の写真はブログとは全く関係ありません。最近のハワイは雨が多いです。

 

 

 

アメリカの歴史に残る究極のラブストーリー「Loving:ラビング」

 

www.youtube.com

題名:Loving(ラヴィング) 2016年

監督:ジェフ・ニコルズ

主演:ルース・ネッガ、ジョエル・エドガートン、ウィル・ディトン

評価:IMDb 7.2/10  Rotton Tomatoes 90% Google Users 90%

ストーリー: ミルドレッドは恋人のリチャードに妊娠を告げる。結婚して幸せに暮らす2人だったが、ある夜家に警察が来て2人とも逮捕されてしまう。当時2人が住むバージニア州では異人種同士の結婚が認められていなかった。ミルドレッドはアフリカ系アメリカ人、リチャードは白人だったからだ...

 

 感想: 

タイトルを見て恋愛ものかなと思った。ラブストリーには違いないが、“Loving"はこの映画の主人公の名字である。つまりLoving家のお話なのである。Loving=愛する、なんてこの夫婦にふさわしい名前なのだろう...

 

「Loving」は、1967年にアメリカ最高総裁で実際に起きた異人種結婚の裁判、「Loving vs. Virginia (ラヴィング対バージニア)」という実話をもとにしたストーリーである。この夫婦の話は以前何かで読んだことがあったので事実をどんな風にまとめてあるのかすごく興味があった。公民権や裁判と重いテーマだけにどんなに重厚な社会派ドラマかと思って観たら期待はみごと裏切られた。

 

キャスティングはこれ以上の配役はありえないというくらい充実。夫リチャードに扮するのは、オーストラリア出身の俳優ジョエル・エドガートン(ザ・ギフト、ウォーリア主演)。寡黙な役柄なので台詞はほとんどなく、激しく揺れるリチャードの感情を身体で表現しきった。私の独断と偏見にみちた予想では、これで今年のアカデミー賞主演男優賞候補は確実とみた(笑)。妻ミルドレッドに扮するのはエチオピア系アイルランド女優のルース・ネッガ。凛とした美しさが魅力のネッガが、控えめだが芯の強いミルドレッドに扮する。娘から母となり強い女性へと変化していく様をみごとに演じる。

 

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time.comより参照

 

「Loving vs. Virginia 」をネットで画像検索すると当時メディアが撮影した写真が出てくる。それらがスクリーン上で美しく再現される。上の写真はLIFEマガジンの写真家がLoving家を訪問し撮影した一枚。リビングのソファーで夫が妻の膝枕でテレビを観ながら微笑んでいる。訴訟の渦中にいた夫婦の不安はみじんも感じられない、むしろ平穏さが伝わってくる写真。立ちはだかる壁を前に今出来る事をやりながら細々とつれそう夫婦の絆、この映画の夫婦から学べることは大きい。

 

Lovingは、夫婦愛や家族愛を描いた究極のラブストーリーである。アメリカ合衆国が通って来た奴隷制度や差別問題に言及する歴史ドラマでもある。観終わった後、温かな優しい余韻に包んでくれる映画だと思う。

 

同性婚も認められたアメリカで異人種同士の結婚は当然のように考えていたが、これもLovingさんのようなカップルが迫害にあいながらも愛を貫く勇気があってからこそ。私も国際結婚をしているひとりとしてこの2人に敬意を払わずにはいられない。

 

監督ジェフ・ニコルズの作品はこれが初めてだがもっと観てみたいと思う。ちなみに、「Loving VS. Virginia」の訴訟が米最高裁で勝利した1967年6月12日は、Loving Dayと呼ばれ記念日となっているそうである。

 

#ハワイ #映画 #洋画 #ラビング #Loving